リンク先の方々が、「初心者(というよりEDH興味無い層)に興味を持ってもらおう」みたいなコンセプトの記事を書いていたので便乗してみる。

とはいえ、ジェネラルの選択だとか何が強いかとかその辺りは私が二番煎じでやっても更新したいだけだろ(事実)になってしまうので、ここはEDHのデッキの基礎部分の話を。


本日の内容は、「EDHやってみたい、ジェネラルも色も決めた、でも100枚どうやって選べばいいの?」という方向けです。デッキがハイランダーで、しかも多人数戦。経験したことが無い方だと、そもそもどの程度の速度を意識してデッキを組めば良いのか、判断が難しい面があると思います。

普通のフォーマットならば、デッキ60枚、1対1、お互いライフ20、初期手札7の通常マリガン、同名カード4枚までという基準はスタンだろうとレガシーだろうと一緒です。土地を何枚にして、ドローソースや除去を何枚で~という指標があるわけですね。
一方、EDHはデッキ99枚+ジェネラル、4人戦、全員ライフ40、初期手札7枚のパリ式部分マリガン、ハイランダーと見事に違う条件になります。「土地は何枚?」「60枚デッキでいつもマナクリ4枚から始めてたけどEDHだとどのぐらい?」「除去やカウンターはどんなコストのを何枚入れればよい?」などなど、悩みどころは多いのではないでしょうか。

今からの話は私個人の見解も少なからず入ってしまいますし、色やジェネラルに応じて適切な構成は変わります。しかし、右も左も分からないよりは良いだろうということで、一つの指標になれば幸いです。

●デッキの構成要素
一部特殊なデッキを除けば、EDHのデッキ構成要素は以下になります。
・マナソース
・フィニッシャー
・ドロー
・サーチ
・妨害(打ち消し等)
・パーマネントコントロール(クリーチャー除去、アーティファクト・エンチャント破壊)

上二つが「自分が勝つための要素」、下二つが「相手を勝たせないための要素」、真ん中が「デッキを円滑に動かすための要素」となります。カードを選ぶとき、今入れようとしているカードはどれに分類されるカードか意識することが重要です。EDHの100枚は入れたいカードを入れるとあっという間に満席状態になります。本当に必要なものを取捨選択しましょう。

構成要素を一つ一つ見て行きましょう。今日はマナソースのみになりますが。

●マナソースの役割
マナソースとは、マナアーティファクト、マナクリーチャー、《暗黒の儀式/Dark Ritual》、土地サーチなど「自分のマナを伸ばせられる」要素になります。広義には土地を含める場合もありますね。

EDHにおいてこのマナソースはかなり重要です。理由は二点。

一つは「速度が大変重要だから」です。これは「ハイランダー」「多人数戦」であることが大きな要因です。
多人数戦であるということは、他3人の動向を伺いつつ3人の妨害を掻い潜る必要があります。この面でマナソースの確保が重要なのです。なぜなら、多くのマナを確保出来れば「自分がやりたいことをやりつつ妨害を構える」ことが出来るからです。マナが伸びていないと「自分のやりたいことしか出来ない=相手からの脅威にレスポンス出来ない」、または「やりたいことは後回しにして対処・妨害にマナを使う=自分の勝ちには近づかないのでジリ貧」のどちらかの状態に陥ってしまいがちです。逆の視点で見れば、「自分だけマナを多く確保出来ている状況」ならば”自分のやりたいことは通って相手のやりたいことは通さない”という理想的な環境に居るということになります。
また、MTGで今更なことですが、重いカードは基本的に強いです。ハイランダーであるEDHでは個々のカードパワーも重要になるため、重いカードを使用できる、その状態に早く到達することは単純に優位に立てる場面が多いです。

もう一つは「マナフラッドの影響を緩和しやすいから」です。EDHにはジェネラルという無限の手札が存在します。つまり、マナの使い道は常に用意されているのです。普通のフォーマットでありがちな「マナ加速ばかり引いた~」へ対処しやすいと言えるでしょう。ジェネラルは倒れても追加2マナずつ増えるとはいえ再キャスト出来るというのも、マナが伸びたほうがありがたい理由になっています。

●マナソース+土地の枚数
さて肝心のマナソースの割合ですが、マナソース10~20程度、土地30~38程度が標準だと思われます。いずれも下限値はかなりマナがタイト、上限値はマナフラッド気味に感じるでしょう。初めて組む方は中間値かやや下よりをお奨めします。

まず土地についてですが、通常60枚のデッキで土地24枚が基準だとすると、99枚デッキでは40枚程になります。↑の割合は少な目であることが分かりますね。
これは土地の性質が関係しています。当たり前ですが、序盤は土地を毎ターン置く事が重要になります。しかし、後半では土地は引きたくないカードの代表となります。通常のフォーマットでも起こり得る、土地引きすぎによるマナフラッドですね。
土地は「毎ターン1枚しか置けない」「マナがかからない」「基本的に1マナしか伸びない」「マナを出すだけ」という特徴を持っています。序盤は手札から出すだけでマナを伸ばせる重要なパーツですが、マナが伸びてからはデメリットの方が目立ってきてしまいます。例えばマナファクトの《スランの発電機/Thran Dynamo》はカード1枚で3マナも出せますが、土地は1枚で1マナしか出せません。《極楽鳥/Birds of Paradise》はチャンプブロックも装備も出来て生け贄にもなりますが、土地は何もしてくれません。じゃあ土地はそれらと比べて弱いかというとそんなわけもなく、最初の1~2ターン目に《スランの発電機/Thran Dynamo》は置けませんし、1ターン目に出せても2ターン目に土地が置けないのならば《極楽鳥/Birds of Paradise》はマナ加速の役割を担えません。
序盤は無いとお話にならないけど、対戦中にたくさん引きたくないという立ち位置にある土地。そんなわけもあり、少し枚数を抑える方が良いと思われます。抑えた分を、例えば土地サーチ系のマナソースに回したりドローに回したりすれば、土地の不足を感じることなくデッキパワーを底上げ出来ると思われます。

次にマナソース。
一言にマナソースと言っても種類が多種多様にあるわけですが、見るべきポイントは「マナコスト」「生成マナの量」「副作用」の3点です。

★マナコスト
《ダークスティールの鋳塊/Darksteel Ingot》や《導き石》はれっきとしたマナアーティファクトなわけですが、これらを大量に投入してマナソース確保!というのは違います。3マナのマナアーティファクトばかり入れても、3ターン目までは毎ターン土地しか置けない、つまりマナが伸びていないわけで。3マナのカードならば3ターン目にようやくマナソースとしての役割を果たす、ということは念頭に置いておきましょう。序盤のマナ加速という視点で見るならば、当たり前ですが軽い方が優れています。《太陽の指輪/Sol Ring》と《シッセイの指輪/Sisay’s Ring》では出来ることがまるで違うのです。2マナの土地サーチと4マナの土地サーチでは使い勝手が違うのも同じ理由ですね。

★生成マナの量
マナソースのコストは軽い方が良いですが、重いカードは重いカードなりの強さを持っています。《スランの発電機/Thran Dynamo》は4マナ出るようになるまではマナソースとして数えられませんが、逆に4マナ出せる状況では最も強いマナソースの1枚に化けます。1枚で土地3枚分のマナを確保し、次ターンには最低7マナまで到達出来ます。見方を変えれば、土地3枚を1枚で担うというカードアドバンテージを稼いでいるとも言えます。やっていることは3倍《自然の知識/Nature’s Lore》に近いわけですから。「生成マナの量」に焦点を当ててカードを選ぶときは、そのマナソースが強い状態(発電機なら4マナ)まできちんと到達出来るか、大量のマナやマナ域のジャンプアップが重要か、を見てみましょう。一例として、《精神石/Mind Stone》+《スランの発電機/Thran Dynamo》はお互いがお互いの良い所を伸ばし悪い所をカバーしている組み合わせだと言えるでしょう。《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》+《耕作/Cultivate》なんかも強いですね。

★副作用
軽いマナソースには何かしらデメリットが付いている場合があります。
《Mana Crypt》ならば毎ターン50%でダメージ、《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》ならば土地を1枚捨てる、《暗黒の儀式/Dark Ritual》ならば使い捨てである、等々。
0~1マナのマナソースは速度の上で非常に重要なのですが、デメリットと速度をきちんと天秤にかける必要があります。大抵のものがカードアドバンテージを失うので、アドバンテージを失ってでも加速する価値があるか否かが焦点となる場合が多いです。大量ドローやそれにつながるサーチを多めに取っている、そもそも速度勝負のデッキ構成である、ジェネラルでカバー出来る、といった明確な理由があればその性能を存分に活かせるでしょう。逆に意識せずに「強そうだから」で入れるだけでは失ったアドバンテージ分の活躍はしてくれないと思います。

以上3点を意識して、マナソースのバランスを取るといいでしょう。
いずれの点で見ても、0マナで2マナ伸ばせて40ライフのEDHではデメリットがかなり薄い《Mana Crypt》、1マナで2マナ伸ばせてデメリット全くなしの《太陽の指輪/Sol Ring》、1マナで1マナ伸ばせて他の仕事も出来る緑のマナクリや《繁茂/Wild Growth》、などがいかに優秀かがお分かり頂けるかと思います。



長い上に一発で書いたので、文体が変だったり内容が食い違っていたりしたらすみません。気付き次第直します。

需要がありそうならまた時間を見つけて書くかも。

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