【EDH】クソデッキが出来上がるまで【後編】
2014年1月18日 TCG全般 コメント (3)そんなこんなでデッキが完成した。
統率者:《スリヴァーの女王/Sliver Queen》
マナパーツ(10)
0《水蓮の花びら/Lotus Petal》
0《睡蓮の花/Lotus Bloom》
0《オパールのモックス/Mox Opal》
0《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
1《野生の朗詠者/Wild Cantor》
1《ほくちの壁/Tinder Wall》
2《精神石/Mind Stone》
3《レイモスの歯/Tooth of Ramos》
3《レイモスの眼/Eye of Ramos》
3《レイモスの頭蓋骨/Skull of Ramos》
ドローパーツ(22)
1《渦まく知識/Brainstorm》
1《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
1《定業/Preordain》
1《Mystic Remora》
1《彩色の星/Chromatic Star》
1《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
1《テラリオン/Terrarion》
1《スカイクラウドの卵/Skycloud Egg》
1《ダークウォーターの卵/Darkwater Egg》
1《シャドーブラッドの卵/Shadowblood Egg》
1《モスファイアの卵/Mossfire Egg》
1《サングラスの卵/Sungrass Egg》
1《妖術師のガラクタ/Conjurer’s Bauble》
1《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
1《上天の呪文爆弾/Aether Spellbomb》
1《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》
2《万華石/Kaleidostone》
2《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》
3《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
3《意外な授かり物/Windfall》
3《Wheel of Fortune》
5《記憶の壺/Memory Jar》
コンボパーツ(8)
1《精力の護符/Amulet of Vigor》
1《写本裁断機/Codex Shredder》
3《第二の日の出/Second Sunrise》
4《信仰の見返り/Faith’s Reward》
4《平等化/Balancing Act》
4《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》
8《抹消/Obliterate》
10《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》
サーチ(13)
1《神秘の教示者/Mystical Tutor》
1《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
2《作り直し/Reshape》
2《Transmute Artifact》
2《Demonic Tutor》
2《悪魔の意図/Diabolic Intent》
2《リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul’s Vault》
3《加工/Fabricate》
3《粗石の魔道士/Trinket Mage》
4《神秘の指導/Mystical Teachings》
4《ディミーア家の護衛/Dimir House Guard》
4《腹黒い夢/Insidious Dreams》
5《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
除去(6)
0《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2《天啓の光/Ray of Revelation》
2《紅蓮地獄/Pyroclasm》
4《神の怒り/Wrath of God》
コンボ補助(8)
0《否定の契約/Pact of Negation》
1《沈黙/Silence》
1《白鳥の歌/Swan Song》
1《払拭/Dispel》
1《赤霊破/Red Elemental Blast》
1《秋の帳/Autumn’s Veil》
1《有毒の蘇生/Noxious Revival》
6《蔵の開放/Open the Vaults》
土地(32)
《用水路/Irrigation Ditch》
《古き泉/Ancient Spring》
《硫黄孔/Sulfur Vent》
《地熱の割れ目/Geothermal Crevice》
《ほくちの加工場/Tinder Farm》
《トロウケアの廃墟/Ruins of Trokair》
《シヴィエルナイトの寺院/Svyelunite Temple》
《漆黒の要塞/Ebon Stronghold》
《ドワーフ都市の廃墟/Dwarven Ruins》
《ヘイヴンウッドの古戦場/Havenwood Battleground》
《海底の瓦礫/Seafloor Debris》
《沼の漂流物/Bog Wreckage》
《遺跡発掘現場/Archaeological Dig》
《水晶鉱脈/Crystal Vein》
《幽霊街/Ghost Quarter》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》
《埋没した廃墟/Buried Ruin》
《地平線の梢/Horizon Canopy》
《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
《ヴェズーヴァ/Vesuva》
《演劇の舞台/Thespian’s Stage》
《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
《冠雪の島/Snow-Covered Island》
《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
《冠雪の森/Snow-Covered Forest》
《平地/Plains》
《島/Island》
土地を中心に細かい調整はしつつ、一人回し→友人と対戦→一人回しと一週間ほど使ってみた。
そして……このデッキに対して違和感、疑問を感じるのであった。
やがてそれは不安に変わり、最終的に出た結論は「これクソデッキですね」だった。
●ありすぎるコンセプトの問題点
☆遅すぎ
タップインランドを多用するため遅いことは認知していたが、いくらなんでもEDH環境では遅すぎる。しかもコンボパーツ自体は3マナor4マナなのだが、場に十分なドローパーツが存在し、余剰のマナが出る状況でないと開始できないので、実際は7ターン目にスタート出来れば良い方だった。
原因の一つはコンボに特化しすぎたパーツ選択をしていることだろう。《太陽の指輪/Sol Ring》すらサクれないことを嫌って投入していない。これにより、タップインランドとの相乗効果ですさまじい低速具合を発揮している。7ドローでパーツをそろえようにも、こっちは7ドロー用のマナぐらいしか確保できないから次ターンに展開を回すのに対し、相手は《Mana Crypt》とか《魔力の櫃/Mana Vault》とかから展開してくるのだからなおさらである。「場で負けても《平等化/Balancing Act》すればいい」とか考えていたが、場で負けるついでにゲームに負けているので逆転できない。こっちがコンボ開始するころには相手は《歯と爪/Tooth and Nail》やらのフィニッシュに辿りついている。ダメすぎる。
☆コンボパーツが多くて弱い
特に日の出コンボの方。《写本裁断機/Codex Shredder》+8マナで始動できる……と書くと一見《第二の日の出/Second Sunrise》+《写本裁断機/Codex Shredder》の2枚コンボに見えてしまうのだが、実際はそんなことはない。8マナ捻出するためには《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》等のマナパーツが必要だからだ。しかもマナファクトだけでは難しいので、毎ターン設置出来てサクって2マナ出るサクリファイスランドに頼らざるを得ない。つまり、《精力の護符/Amulet of Vigor》もほぼ必須である。
>日の出以外は《写本裁断機/Codex Shredder》も《精力の護符/Amulet of Vigor》もほぞでサーチ容易なので何とかなるだろう
などと前編で書いているが、そんなわけないだろ!
《粗石の魔道士/Trinket Mage》で《精力の護符/Amulet of Vigor》を持ってくるという動きが超絶弱い。この環境なら《Mana Crypt》《太陽の指輪/Sol Ring》なんかを持ってこられるのに……
☆コンボの意味がない
極めつけの身も蓋もない結論はこれ。
5色と言えば“ハーミット”“むかつき”“ワールドゴージャー”“ウーズ”とEDHの華なコンボをどれでも搭載して活かせることが大きな強みである。そんなコンボ達が並ぶ中、当然私も“バランス”“目玉焼き”という2つをあえて使う意義は考えていた。“バランス”は土地(マナパーツ)と《平等化/Balancing Act》さえあれば決められること、“目玉焼き”は軽量パーツで循環でき、しかもそれら軽量(ドロー、マナ)パーツを金太郎飴のように投入することで無理なくコンボに至れることが利点ではないかと考えていた。
実際はそんなことはない。妨害に弱すぎる。
日の出やバランスをカウンターで即終了。これはまあ《沈黙/Silence》とか《秋の帳/Autumn’s Veil》とか《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》とかで意識してはいる。同じような“むかつき”とはマナコストに縛られないという点で差別化できているだろうと。
しかし、このコンボはありとあらゆる対策がぶっ刺さりまくるのである。
まず先程述べたカウンター。どうしても対策カードを構えられずにぶっぱせざるを得ないパターンがあるのだが、このコンボは自分の土地やマナパーツをサクってまっさらにしてから始動する。つまり打ち消されたら土地も消え去って実質ゲームから離脱する。あの打消しに脆いと有名な“むかつき”でさえ土地でマナを伸ばして《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》で逆転というようなルートが残されているのに対し、こっちは土地を全部投げ出して一発芸をする。自爆フェチかな?
墓地対策で終了。“目玉焼き”は墓地利用するので墓地対策でひどい事になる。《写本裁断機/Codex Shredder》に対応して日の出を追放されるだけで沈黙する。
メタ系置物で終了。前編でもちらっと書いたが、《無のロッド/Null Rod》《石のような静寂/Stony Silence》《血染めの月/Blood Moon》《締め付け/Stranglehold》といった置物がぶっ刺さりまくる。他の強力デッキが引っかかる置物におまけのように引っかかる……参考にするのはそこじゃねえよ!
このデッキが引っかからない対策はクリーチャーへのピン除去ぐらいである。「“ハーミット”や“ワールドゴージャー”や“ウーズ”に比べて《平等化/Balancing Act》は対策に引っかからないから軸がずらせてるな!」……相方のコンボが墓地対策に引っかかっているんだが。《平等化/Balancing Act》自体も遅くて一発芸だし。
更に言うならこのデッキは今流行っている(と思われる)カードに対して弱い。クリーチャー除去も墓地対策も(デッキの速度に対して)少量すぎるので“ハーミット”“ウーズ”とかにやられたい放題。コンボではないが《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》や《概念泥棒/Notion Thief》もヤバい。ブロッカー居ない癖に全体除去が少ないので《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》にカモられる。そういえば土地にも頼っているので《森林の始源体/Sylvan Primordial》もヤバい……なんなんですかねえこのデッキ。
「軸をずらしたオリジナルのコンボデッキ」だと思っていたものは、「遅く既存の対策に引っかかりまくる成功率の低いクソデッキ」なのであった。
●まとめ
かくして一週間使ってコンセプト→デッキ構築→一人回し及び対戦→解体となった。
ここで補足しておくと、《第二の日の出/Second Sunrise》や《平等化/Balancing Act》自体は弱くない。前者はマスデス系のリカバリーやCIPの再利用として使うにはそこそこ軽いし、後者は場も手札も伸びづらい白系デッキが普通に撃っても悪くない性能だと思っている。ダメだったのは、特定の状況でしか役に立たないこれらに完全に依存したデッキを組んでしまったことである。
こんなクソデッキ構築仮定を長々と書いたのは、オリジナルだと思っているものが本当にそうであるか、ということを考えるとっかかりになればと考えての事である。EDHはハイランダーで固有色がある都合上、デッキを組む上でコンセプトの段階から差別化する必要がある。ジェネラルの選択において、このジェネラルで相性の良いものorこのジェネラルでしか出来ないことを基盤に据えるのが一番分かりやすい。仮に似たようなデッキ構成になっても、色が違えばそこに差が出るかもしれない。その上でオリジナルとして重要なのは、「似たようなコンセプトと比べて必要パーツ数や対策されやすさなどに差異があるか」という点だと思っている。「墓地を利用するパーツ3枚のコンボ!」……それは本当に“ウーズ”より優秀?「大地の知識コンボを軸に!」……それは別の○○ジェネラルよりも活かせられてる?もちろんこれは完全否定しているわけでなく、そういった疑問に対して「いや、このコンボは~~」と説明出来ればオリジナルなデッキ、説明出来ないならばオリジナル-クソ-デッキの可能性があるというだけ。今後EDHのデッキを組む人が、そういった点に気付いてくれれば幸だ。そこに気付いて調整したり大幅に変えたりしていくことが、使っていて楽しい“良いデッキ”に到着できる道だと思っている。
長々と読んでいただきありがとうございました。
見直すと恥ずかしい記事ですが、たまには長文をということで。
統率者:《スリヴァーの女王/Sliver Queen》
マナパーツ(10)
0《水蓮の花びら/Lotus Petal》
0《睡蓮の花/Lotus Bloom》
0《オパールのモックス/Mox Opal》
0《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》
1《野生の朗詠者/Wild Cantor》
1《ほくちの壁/Tinder Wall》
2《精神石/Mind Stone》
3《レイモスの歯/Tooth of Ramos》
3《レイモスの眼/Eye of Ramos》
3《レイモスの頭蓋骨/Skull of Ramos》
ドローパーツ(22)
1《渦まく知識/Brainstorm》
1《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
1《定業/Preordain》
1《Mystic Remora》
1《彩色の星/Chromatic Star》
1《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
1《テラリオン/Terrarion》
1《スカイクラウドの卵/Skycloud Egg》
1《ダークウォーターの卵/Darkwater Egg》
1《シャドーブラッドの卵/Shadowblood Egg》
1《モスファイアの卵/Mossfire Egg》
1《サングラスの卵/Sungrass Egg》
1《妖術師のガラクタ/Conjurer’s Bauble》
1《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
1《上天の呪文爆弾/Aether Spellbomb》
1《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》
2《万華石/Kaleidostone》
2《他所のフラスコ/Elsewhere Flask》
3《知識の渇望/Thirst for Knowledge》
3《意外な授かり物/Windfall》
3《Wheel of Fortune》
5《記憶の壺/Memory Jar》
コンボパーツ(8)
1《精力の護符/Amulet of Vigor》
1《写本裁断機/Codex Shredder》
3《第二の日の出/Second Sunrise》
4《信仰の見返り/Faith’s Reward》
4《平等化/Balancing Act》
4《オーリオックの廃品回収者/Auriok Salvagers》
8《抹消/Obliterate》
10《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》
サーチ(13)
1《神秘の教示者/Mystical Tutor》
1《吸血の教示者/Vampiric Tutor》
2《作り直し/Reshape》
2《Transmute Artifact》
2《Demonic Tutor》
2《悪魔の意図/Diabolic Intent》
2《リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul’s Vault》
3《加工/Fabricate》
3《粗石の魔道士/Trinket Mage》
4《神秘の指導/Mystical Teachings》
4《ディミーア家の護衛/Dimir House Guard》
4《腹黒い夢/Insidious Dreams》
5《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》
除去(6)
0《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2《天啓の光/Ray of Revelation》
2《紅蓮地獄/Pyroclasm》
4《神の怒り/Wrath of God》
コンボ補助(8)
0《否定の契約/Pact of Negation》
1《沈黙/Silence》
1《白鳥の歌/Swan Song》
1《払拭/Dispel》
1《赤霊破/Red Elemental Blast》
1《秋の帳/Autumn’s Veil》
1《有毒の蘇生/Noxious Revival》
6《蔵の開放/Open the Vaults》
土地(32)
《用水路/Irrigation Ditch》
《古き泉/Ancient Spring》
《硫黄孔/Sulfur Vent》
《地熱の割れ目/Geothermal Crevice》
《ほくちの加工場/Tinder Farm》
《トロウケアの廃墟/Ruins of Trokair》
《シヴィエルナイトの寺院/Svyelunite Temple》
《漆黒の要塞/Ebon Stronghold》
《ドワーフ都市の廃墟/Dwarven Ruins》
《ヘイヴンウッドの古戦場/Havenwood Battleground》
《海底の瓦礫/Seafloor Debris》
《沼の漂流物/Bog Wreckage》
《遺跡発掘現場/Archaeological Dig》
《水晶鉱脈/Crystal Vein》
《幽霊街/Ghost Quarter》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum》
《埋没した廃墟/Buried Ruin》
《地平線の梢/Horizon Canopy》
《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
《ヴェズーヴァ/Vesuva》
《演劇の舞台/Thespian’s Stage》
《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
《冠雪の島/Snow-Covered Island》
《冠雪の沼/Snow-Covered Swamp》
《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
《冠雪の森/Snow-Covered Forest》
《平地/Plains》
《島/Island》
土地を中心に細かい調整はしつつ、一人回し→友人と対戦→一人回しと一週間ほど使ってみた。
そして……このデッキに対して違和感、疑問を感じるのであった。
やがてそれは不安に変わり、最終的に出た結論は「これクソデッキですね」だった。
●ありすぎるコンセプトの問題点
☆遅すぎ
タップインランドを多用するため遅いことは認知していたが、いくらなんでもEDH環境では遅すぎる。しかもコンボパーツ自体は3マナor4マナなのだが、場に十分なドローパーツが存在し、余剰のマナが出る状況でないと開始できないので、実際は7ターン目にスタート出来れば良い方だった。
原因の一つはコンボに特化しすぎたパーツ選択をしていることだろう。《太陽の指輪/Sol Ring》すらサクれないことを嫌って投入していない。これにより、タップインランドとの相乗効果ですさまじい低速具合を発揮している。7ドローでパーツをそろえようにも、こっちは7ドロー用のマナぐらいしか確保できないから次ターンに展開を回すのに対し、相手は《Mana Crypt》とか《魔力の櫃/Mana Vault》とかから展開してくるのだからなおさらである。「場で負けても《平等化/Balancing Act》すればいい」とか考えていたが、場で負けるついでにゲームに負けているので逆転できない。こっちがコンボ開始するころには相手は《歯と爪/Tooth and Nail》やらのフィニッシュに辿りついている。ダメすぎる。
☆コンボパーツが多くて弱い
特に日の出コンボの方。《写本裁断機/Codex Shredder》+8マナで始動できる……と書くと一見《第二の日の出/Second Sunrise》+《写本裁断機/Codex Shredder》の2枚コンボに見えてしまうのだが、実際はそんなことはない。8マナ捻出するためには《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond》等のマナパーツが必要だからだ。しかもマナファクトだけでは難しいので、毎ターン設置出来てサクって2マナ出るサクリファイスランドに頼らざるを得ない。つまり、《精力の護符/Amulet of Vigor》もほぼ必須である。
>日の出以外は《写本裁断機/Codex Shredder》も《精力の護符/Amulet of Vigor》もほぞでサーチ容易なので何とかなるだろう
などと前編で書いているが、そんなわけないだろ!
《粗石の魔道士/Trinket Mage》で《精力の護符/Amulet of Vigor》を持ってくるという動きが超絶弱い。この環境なら《Mana Crypt》《太陽の指輪/Sol Ring》なんかを持ってこられるのに……
☆コンボの意味がない
極めつけの身も蓋もない結論はこれ。
5色と言えば“ハーミット”“むかつき”“ワールドゴージャー”“ウーズ”とEDHの華なコンボをどれでも搭載して活かせることが大きな強みである。そんなコンボ達が並ぶ中、当然私も“バランス”“目玉焼き”という2つをあえて使う意義は考えていた。“バランス”は土地(マナパーツ)と《平等化/Balancing Act》さえあれば決められること、“目玉焼き”は軽量パーツで循環でき、しかもそれら軽量(ドロー、マナ)パーツを金太郎飴のように投入することで無理なくコンボに至れることが利点ではないかと考えていた。
実際はそんなことはない。妨害に弱すぎる。
日の出やバランスをカウンターで即終了。これはまあ《沈黙/Silence》とか《秋の帳/Autumn’s Veil》とか《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》とかで意識してはいる。同じような“むかつき”とはマナコストに縛られないという点で差別化できているだろうと。
しかし、このコンボはありとあらゆる対策がぶっ刺さりまくるのである。
まず先程述べたカウンター。どうしても対策カードを構えられずにぶっぱせざるを得ないパターンがあるのだが、このコンボは自分の土地やマナパーツをサクってまっさらにしてから始動する。つまり打ち消されたら土地も消え去って実質ゲームから離脱する。あの打消しに脆いと有名な“むかつき”でさえ土地でマナを伸ばして《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》で逆転というようなルートが残されているのに対し、こっちは土地を全部投げ出して一発芸をする。自爆フェチかな?
墓地対策で終了。“目玉焼き”は墓地利用するので墓地対策でひどい事になる。《写本裁断機/Codex Shredder》に対応して日の出を追放されるだけで沈黙する。
メタ系置物で終了。前編でもちらっと書いたが、《無のロッド/Null Rod》《石のような静寂/Stony Silence》《血染めの月/Blood Moon》《締め付け/Stranglehold》といった置物がぶっ刺さりまくる。他の強力デッキが引っかかる置物におまけのように引っかかる……参考にするのはそこじゃねえよ!
このデッキが引っかからない対策はクリーチャーへのピン除去ぐらいである。「“ハーミット”や“ワールドゴージャー”や“ウーズ”に比べて《平等化/Balancing Act》は対策に引っかからないから軸がずらせてるな!」……相方のコンボが墓地対策に引っかかっているんだが。《平等化/Balancing Act》自体も遅くて一発芸だし。
更に言うならこのデッキは今流行っている(と思われる)カードに対して弱い。クリーチャー除去も墓地対策も(デッキの速度に対して)少量すぎるので“ハーミット”“ウーズ”とかにやられたい放題。コンボではないが《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》や《概念泥棒/Notion Thief》もヤバい。ブロッカー居ない癖に全体除去が少ないので《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》にカモられる。そういえば土地にも頼っているので《森林の始源体/Sylvan Primordial》もヤバい……なんなんですかねえこのデッキ。
「軸をずらしたオリジナルのコンボデッキ」だと思っていたものは、「遅く既存の対策に引っかかりまくる成功率の低いクソデッキ」なのであった。
●まとめ
かくして一週間使ってコンセプト→デッキ構築→一人回し及び対戦→解体となった。
ここで補足しておくと、《第二の日の出/Second Sunrise》や《平等化/Balancing Act》自体は弱くない。前者はマスデス系のリカバリーやCIPの再利用として使うにはそこそこ軽いし、後者は場も手札も伸びづらい白系デッキが普通に撃っても悪くない性能だと思っている。ダメだったのは、特定の状況でしか役に立たないこれらに完全に依存したデッキを組んでしまったことである。
こんなクソデッキ構築仮定を長々と書いたのは、オリジナルだと思っているものが本当にそうであるか、ということを考えるとっかかりになればと考えての事である。EDHはハイランダーで固有色がある都合上、デッキを組む上でコンセプトの段階から差別化する必要がある。ジェネラルの選択において、このジェネラルで相性の良いものorこのジェネラルでしか出来ないことを基盤に据えるのが一番分かりやすい。仮に似たようなデッキ構成になっても、色が違えばそこに差が出るかもしれない。その上でオリジナルとして重要なのは、「似たようなコンセプトと比べて必要パーツ数や対策されやすさなどに差異があるか」という点だと思っている。「墓地を利用するパーツ3枚のコンボ!」……それは本当に“ウーズ”より優秀?「大地の知識コンボを軸に!」……それは別の○○ジェネラルよりも活かせられてる?もちろんこれは完全否定しているわけでなく、そういった疑問に対して「いや、このコンボは~~」と説明出来ればオリジナルなデッキ、説明出来ないならばオリジナル-クソ-デッキの可能性があるというだけ。今後EDHのデッキを組む人が、そういった点に気付いてくれれば幸だ。そこに気付いて調整したり大幅に変えたりしていくことが、使っていて楽しい“良いデッキ”に到着できる道だと思っている。
長々と読んでいただきありがとうございました。
見直すと恥ずかしい記事ですが、たまには長文をということで。
コメント
現在ではEDHでも様々なアーキタイプが確立されて、いわゆる「強い」デッキは
良くも悪くも似たようなデッキ、似たようなカード採用になってしまいがちです。
結果は芳しく無かったようですが、こういうオリジナルなコンセプトを持ったデッキを
0から構築して完成させるのは素晴らしいの一言です。
自分もEDHでのサニーサイドアップは挑戦し挫折した経験があるので共感できましたw
今主流になっているものも、どれも最初は誰かの思いつきとプレイテストから始まったはずです。
こういう試行錯誤はそこでは無駄に終わっても後々の構築やプレイングに好影響を与えてくるので大事ですよね。特に使われるカードの種類が多いEDHだとカードの豆知識が細かい所での優位を生み出す事がありますし。
コメントありがとうございます。
この色ならこのコンボ~みたいに確立されていて、まずはそれから投入しはじめる、というパターンは多いですよね(特に単色で出来るウーズコンボとかキキジキコンボ)。似たようなカードでも色やジェネラルシナジーで差別化するか、根本から発想を変えて差別化するか(こっちは相当難しい)ですが、やっぱり既存のコンボやシナジーは確立されているだけあってなかなか越えられないですね。
ヴィンテージ・ハイランダーのカードプールで考えるだけなら自由なので、最近は失敗してでも新しいものに取り組んでいきたいなと。オリジナルなのかクソなのか見極めるのは考えてからでもいいですし。
サニーサイドアップ含め、チェインコンボはハイランダーだときっついですね;
MTGのカードは0~4枚投入可能である、ということの重要性を思い知りました。
>>かっこかりさん
コメントありがとうございます。
思いつきがクリティカルになる可能性(むかつきとか確かそうですよね?)もあるので、考えるだけは考えてみようと。その上で甘かった今回のデッキですが、《平等化/Balancing Act》とか《第二の日の出/Second Sunrise》とか1枚に着目してからデッキ構築していくのも楽しいものだと実感できました。変なカードとの出会いも今までスタンぐらいしか触れていなかった自分には嬉しですね。リストに無いやつでは、《Implements of Sacrifice》とかいう謎のカードも候補に挙がってましたw